• 短編・中編小説

    秋吉キユの創作BL作品一覧

    「雨水って汚いんだぜ?」と、斎藤に言った。   俺の差すビニール傘が届く範囲では、とても斎藤を雨から守り抜くなんてできなかった。 びしょ濡れになった色素の薄い髪と肌を気にも留めず、斎藤は大き...
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    聖夜の夜景は、社会人の残業でつくられています。 誰かがそんな夢の無いことを言っていたなと、ナツは思い出していた。 「……俺もその、残業する側の一人なんだけどさ」 雪道に残す足跡が、暖...
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    すっかり夜になって、辺りは暗闇に沈んだ。 手すりに寄りかかって、俺はぼうっとビルの下で揺れる木々を見ていた。はだけた服を直しながら、萱城が俺の隣で同じようにして立っている。 「高いだろ。...
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